長浜城主であった豊臣秀吉が始め、国の重要無形民俗文化財に指定されている「長浜曳山祭(ひきやままつり)」。毎年4月に開催され、京都の祇園祭や高山市の高山祭と並び、日本三大山車祭のひとつとされています。
2023年は豊臣秀吉が町名を「長浜」と名付けて450年となるのを記念し、全13基の山車が勢揃い(※例年は4基ずつ)。例年以上に活気あふれる祭事として執り行われ、長浜市にとっても重要な祭事となります。
そこで、当メディアの編集長おばた(@obata__nagahama)が、長浜曳山祭に参加してきました。
・長浜の伝統行事について知りたい方
・長浜曳山祭の様子が気になる方
・長浜の歴史に触れたい方
上記に当てはまる方は、ぜひ最後までお読みください。
長浜曳山祭は世界に誇る祭りのひとつ。長浜八幡宮(長浜市宮前町)の祭礼として、毎年4月9日〜17日の間、黒壁スクエア付近の中心市街地で開催されます。
また、約400年の伝統を誇り、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。
長浜曳山祭の中でもたくさんの方に注目されるのが、曳山巡行です。「よいさ!」の掛け声とともに動く曳山は、観る人の心も大きく動かします。
※曳山とは、祭りに用いられる山車(出しもの)のことで、長浜の曳山は江戸時代の伝統工芸を結集した飾金具や彫刻、絵画で彩られ「動く美術館」とも呼ばれています。
「長浜曳山博物館」ホームページより 引用
13組それぞれに違いがあり、山車や山組の雰囲気の違いを感じるのも曳山祭ならでは。直接見ると細かい違いが出てくるので、ぜひ違いを感じてみてください。
以下で山組を紹介します。
・長刀山(なぎなたやま)
・鳳凰山(ほうおうざん)
・壽山(ことぶきざん)
・猩々丸(しょうじょうまる)
・高砂山(たかさござん)
・翁山(おきなざん)
・孔雀山(くじゃくざん)
・常盤山(ときわざん)
・萬歳樓(ばんざいろう)
・春日山(かすがざん)
・諫皷山(かんこざん)
・月宮殿(げっきゅうでん)
・青海山(せいかいざん)
長浜曳山祭の見所のひとつに、5歳〜12歳くらいまでの男子が演じる「子供歌舞伎」があります。一般的に演じられる歌舞伎と同様、子ども歌舞伎にも立役と女方がおり、大人顔負けの演技を披露します。
これは余談ですが、私も小学生のときに女方として子供歌舞伎に出ておりました。
子どもたちの稽古は春休みから始まり、約1ヶ月みっちりと稽古が続きます。役者として出る子どもだけでなく、ご両親や山組を支える若衆としても激動の1ヶ月。
子供歌舞伎は、いろんなドラマやストーリーが詰まった舞台です。
長浜曳山祭において、囃子は「シャギリ」と呼ばれ、笛、太鼓、締太鼓、摺り鉦を使って演奏されます。
シャギリを演奏するのは曳山が移動するときや歌舞伎の始まる前と終了後。シャギリが曳山祭を支えていると言っても過言ではないでしょう。
4月14日の夜には夕渡りが行われます。
各山組の町内から曳山に乗ってきた役者は、今度は行列を組み歩いて長浜八幡宮から自町へ順番に帰っていきます。
役者が若衆とともに歩く姿は迫力満点。見ている人も熱気に包まれる瞬間です。
4月9日から17日までは毎日のようにイベントが行われます。
期間 | 行事 |
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3月20日頃~4月12日 | 稽古 |
4月9日 | 線香番 |
4月9日〜12日 | 裸参り |
4月12日 | 神輿渡御 |
4月13日 | 起こし太鼓、御幣迎え、くじ取り式の儀、十三日番 |
4月14日 | 自町狂言、登り山、夕渡り |
4月15日(本日) | 起こし太鼓、朝渡り、太刀渡り、翁招き、狂言奉納、参道での子ども狂言、御旅所での狂言奉納、神輿還御、戻り山 |
4月16日 | 後宴狂言 |
4月17日 | 御幣返しの儀 |
長浜市曳山博物館は、長浜曳山祭に出場する本物の曳山を常時公開している博物館。曳山祭りに関する資料を展示する企画展や特別展などを実施しています。
長浜曳山祭を詳しく学びたい場合は、ぜひ曳山博物館へ行ってみてください。
長浜市曳山博物館 基本情報
住所:滋賀県長浜市元浜町 14-8
開館時間:9時~17時(入館16時30分)
Webサイト:https://nagahama-hikiyama.or.jp/
長浜駅周辺の街全体が一度に盛り上がるのが曳山祭。年に1回、大人も子どもも一緒になって祭りを盛り上げます。
曳山祭に関わる人や見に来る人たちの熱量はとても高く、直接見てみると、400年以上も続いてきた理由が実感できるはず。
4月の長浜観光と言えば曳山祭。まずは気軽に足を運んでみてください。