スペシャルKurokabe Story 【黒壁ガラス】2021.11.05 Fri

色とりどりの幻想世界! 光の殿堂・黒壁ガラス館

黒壁ガラス館

滋賀・長浜を代表する観光地といえば黒壁スクエア、そして、黒壁といえばガラス!

その象徴となっているのが町のランドマーク、シックな装いの黒壁ガラス館です。

昔むかしは銀行だったというこのレトロモダンな建物は、いうなれば幻想世界への入り口。

一歩踏み入れると、繊細で優しく、色とりどりかつつややかなガラス作品が、あまた眼前に広がります。

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インテリアやテーブルウェア、小物やアクセサリーに至るまで、バリエーション豊かな黒壁ガラス館。

「キラキラまぶしかったり色鮮やかだったり......ガラスは常に、光とともにあります。そして光は、スッとまっすぐ、見る人の心へと入り込んでくる。心を射るパワーが、どの素材にも増して強いんじゃないのかな」

そう答えてくださったのは、黒壁のガラス工房を切り盛りする、スタジオディレクターの増田文彦さん。

増田さんがガラスに興味を抱いたのは、デザインを学んでいた美大生の頃だったそうです。

その素材に出会い、一瞬にして心をぎゅっとつかまれたそうです。

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ニコニコと、温かい雰囲気の増田文彦さん。作品作りの原動力は、お客様とつながる喜び。
「何かのために、誰かのために、心を込めて作っています」

「その頃の私は、目には見えない実体もつかめない、人の心とか精神性に興味がありまして。ガラスにはそれと、共鳴する力があるのではと思ったのです。ガラスを介することで、相手とわかり合えたり、自分の思いを届けることができたり......この素材に、不思議な魅力と可能性を感じたんですね。それで、自分なりにいろいろ挑戦してはみたのですが、情報も少なくなかなかうまくいかなくて。そんな頃に黒壁ができ、何でもいいからヒントが欲しい、誰でもいいからガラスのことを教えてくれと、この世界に飛び込んだのです」

ガラスに魅せられ、「何でもやります! ここに入れてもらえませんか?」と、自ら黒壁に押しかけたという増田さん。

そこでまず、ステンドグラスのデザインから始め、そうこうしているうちに作品を作り始め......気がついたらあっという間、30年近い月日が流れていたそうです。

「湧き上がる思いを表現したり、お客様のニーズに合わせて制作したり、これまで、いろいろな仕事をさせていただきました。でも、何年たったって、ガラスに飽きることなどありません。知れば知るほど奥が深くて......あれもやりたい、これも挑戦してみたいとどんどん気持ちが膨らみ、どうしたらいいんだと、のたうち回ることは増えたかもしれません(笑)」

とにかく四六時中、ガラスのことを考えているという増田さん。

次々湧き上がってくるアイデアの整理がつけば、あとは一気呵成! 

寝食を惜しんで作品作りに没頭するそうです。

「集中してガラスに向かっているとそこにね、自身の心が映し出されてくるんです。それは、楽しいとかうれしいなどのポジティブなものではなくて、奥底に追いやり、見て見ぬふりをし続けてきた怒りや無常などの否定的な感情。そのひとつひとつと向き合い、折り合いをつけていく。それが、私のとってのガラス作りです」

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グラスプレート 制作風景2より.jpg

蒔絵ガラスのポカール 制作風景1より.jpg

繊細なカットを多用した芸術的作品だったり、反射や屈折を利用した工学的な仕上がりだったり・・・・増田さんの頭の中にはアイデアが無限

生みの苦しみやネガティブな思いなど、いろいろなものを吸収・昇華し、最後は美しく結晶するガラスのアート。

ガラスは作る人にとって、救いと浄化の芸術のようです。

奥行きあるガラスの世界

「奥が深い」と増田さんが言うように、ガラスといってもその手法はさまざまです。

たとえば、熱したガラス種に息を入れて成型する吹きガラス、熔着させるフュージング、表面に砂状の素材を吹きつけて削っていくサンドブラスト、着色ガラスを接合させて模様を作るステンドグラスなど......その種類はなんと20近く!

黒壁のスタジオにおいても、さまざまな挑戦が行われているそうです。

「黒壁には、創業当時から自由な空気がありまして。スタッフの面々は、職人気質というよりは、作りたいものを作りたいように作るという感じ。やり方は固定せず、作りたいものに合わせて技法をチョイスしていきます」

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1960年代にアメリカで始まったアトリエ・グラス運動。

自由な芸術表現が提唱され、その影響を受けた黒壁のスタジオも、自分の表現を追求するフリースタイルで始動しました。

増田さんも、大きなモニュメントから繊細なグラスに至るまで、幅広く柔軟に、作品作りに取り組んでいるそうです。

「この先、特に力を入れていきたいのはグラヴィール。黒壁で働き始めて2年くらいたった頃、オーストリアのラッテンベルク市に3カ月ほど技術研修に行き、その後店舗の立ち上げにも携わった、自分にとって縁深い大切な技法です。この、外国の技法を黒壁にしっかり残すため、突き詰めていきたいなと思っています。ただ、そのために何を作ったらいいのか......この先もずっと、のたうち回るんでしょうね(笑)」

制作風景2.jpg

クラヴィールとは、研磨機で削りながら、ガラス表面にさまざま模様を描いていく技法。
やり直しがきかない緊張感の中、こうと決めたら迷いなく手を動かす。

これからも、冒険や挑戦を忘れない!

黒壁におけるガラス文化の始まりは平成元年のこと。

古き良き長浜の地に新しい風とにぎわいを!との地元の人々の熱い思いから、黒壁ガラス館を中心として、店舗や工房が開かれました。

「私がここで働き始めたのは、黒壁ができて3、4年がたった頃。今でこそあちこちにガラスの観光施設はあるけれど、当時はとても珍しい存在でした。黒壁自体も、確固たるものなど何もなく、まだまだ手探り状態。でもだからこそ、自分たちがやってやる、絶対にやれるはずと、人にも街にもやる気がみなぎっていました」

そうやって始まり、勉強と挑戦を何度も何度も繰り返して、やがて定着したガラス文化。

この一角はもちろんのこと、駅に大きなステンドグラスが飾られていたり、公園に印象的なモニュメントがあったり、学校にオブジェが飾られていたり・・・

市内のあちこちでガラスに親しみ、その輝きを楽しむことができるようになりました。

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増田さんも手掛けた、巨大なひょうたんモニュメント。長浜城を望む、豊公園入口に設置されている。

でもここからがまた、新たなスタートだと増田さんは言います。

「何度も足を運んでくださっているお客様から、かつてはいろいろなガラスがあふれていた、でも今は、ガラスとしてつまらなくなってきていないか?とのお言葉をいただいたことがありました。ガラス文化が定着したとはいえ、作り手まで落ち着いてしまってはどうしようもない!そんなふうに、喝を入れていただいた気分でした」

スタジオのオープン当初に比べると、職人の数は約半分。

それでもガラスに対する情熱は、かつての自分たちに決して負けるわけにはいかない。

「私が初めてこの地に来た頃は、昔ながらのお店がほとんどだったけれど、今の黒壁スクエアでは新旧さまざま、いろいろなジャンルの店舗が軒を連ねるモザイクのような街並みになっています。街はずっと、動き続けている。私たち職人も取り残されないよう、常にハングリーでなければ。これじゃだめだ、まだまだだって、日々変化し続けていきたいですね」

冒険や挑戦を恐れず、時代の空気をどんどん取り込みながら進化し続けるガラスの殿堂。黒壁ガラス館は、多彩な光を放っていきます。

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